試用期間で解雇をされたら?本採用を見送られたらどうすればいいか弁護士が解説

試用期間後の不採用は解雇と同じです!

今回は試用期間中の解雇について弁護士が解説いたします。

試用期間でも雇用契約は開始されている

試用期間を設ける主な目的は、雇用主と労働者が相互に適性を確認することです。

この期間中に労働者は正式な雇用契約の下で働いており、試用期間であっても労働法の保護を受けます。つまり本来であれば試用期間中の労働者は法律上、正社員と同等の保護を受ける立場にあります。

試用期間は「解約権留保付の労働契約」の一形態であり、雇用主は正当な理由がある場合に限り、この期間中に労働契約を終了させることができます。

しかし、この解雇(不採用)は、労働基準法やその他の労働法規によって規制されており、不当な理由での解雇は認められません。試用期間中でも、労働者は不当解雇に対して法的保護を求めることが可能です。

試用期間の延長は原則認められていない

また、試用期間の延長に関しては、労働者の合意なく一方的に行うことはできません。

雇用契約の当初に合意された試用期間を超えて雇用主が勝手に延長することは、労働契約法に違反する可能性があります。

延長が必要と判断される場合は、労働者との間で新たな合意を形成し、契約内容を適切に更新する必要があります。

試用期間の無理な延長は、労働者にとって不利益な条件変更と見なされる上、正当な手順や合理性を欠いていれば不当な行為と言えるでしょう。

本採用の拒否が不当だった場合に請求できること

その会社で働く権利

もし本採用が不当に拒否された場合、労働者はその会社で働く権利を請求することが可能です。

本採用が拒否された後の給料

試用期間終了後に本採用が拒否されても、その期間に労働を提供したことに対する給料は請求可能です。

労働契約に基づいて労働を行った場合、その労働に対する対価として給料を得る権利が存在します。試用期間中の労働も合法的な労働提供とみなされるため、その期間に対する適正な給与を求めることができるのです。

本採用拒否による慰謝料

本採用拒否が労働者に不当な精神的苦痛を与えた場合、慰謝料請求できる可能性があります。

この慰謝料は、不公正な扱いによって生じた精神的ダメージの補償になります。労働者が経験したストレスや職を失うことによる不安など、精神的苦痛の程度に応じて慰謝料が算定されることになります。

本採用を拒否された時の対処方法

解雇理由証明書を発行してもらう

不採用の理由を明確にするため、解雇理由証明書の発行を会社に求めましょう。これは、今後の対応を決める上で重要な資料になります。

合理的な理由があるか検証する

たとえば、本採用拒否の理由として「業績不振」を挙げられた場合、実際に業績が悪いのか、他の同期入社の従業員はどうなのかを調べることが重要です。

合理的な理由がない場合、本採用拒否は不当とみなされる可能性があります。

争う場合は、会社側に撤回を要求する

もし本採用拒否を争う場合、会社にその撤回を要求します。

解雇理由証明書と同様に証拠を残すべきという観点で、これは内容証明郵便で会社側に送りましょう。

交渉や裁判に移る

本採用拒否の撤回を会社側に要求したあとは交渉がスタートします。

書面でのやりとり、電話で直接話し合う等で形式は様々ですが、法的な知識や交渉経験を要求されますので弁護士に相談することをお勧めいたします。

会社との交渉で解決しない場合は、裁判手続きを検討することが可能です。こちらに関しても専門的な知識・手続きを求められるため、弁護士へ依頼した上で進めていくことが望ましいでしょう。

争わない場合は解雇予告手当を請求しましょう

もし不採用の決定を受け入れる場合でも、解雇予告手当の請求が可能です。

予告なしに解雇(不採用)された場合は、予告手当を受け取る権利があります。

本採用拒否を弁護士に相談するメリット

試用期間後の本採用拒否が正当か判断してもらえる

例えば、試用期間終了後に本採用を拒否された場合、拒否の理由が「職務遂行能力不足」とされているとします。

この場合、弁護士に相談することで、ご相談者様の職務実績や評価、会社が定めた基準等を総合的に評価し、本採用拒否の決定が法的に正当なものかどうかの客観的な判断を得ることができます。

弁護士は、労働法の知識を活かして、それぞれのケースを詳細に分析し、法的な観点からアドバイスを提供することが可能です。

請求できる権利(お金・地位)などの見通しを聞くことができる

不採用決定が不当であったとして、損害賠償や職務復帰などを求める場合、弁護士は具体的な請求項目や金額、それに対する成功の可能性について明確な見通しを提供します。

例えば、労働に対する未払い賃金、精神的苦痛に対する慰謝料、不当な扱いによるキャリアの損失に対する補償など、必要に応じて具体的な損害額を算定し、どのような法的手続きを取るべきかの戦略を立てることが可能です。

手続きや交渉を一任できる

弁護士に依頼すれば、複雑な法的手続きや交渉から解放されます。

例えば、会社との和解交渉、裁判所での訴訟手続き、解雇理由の正当性を問う労働審判等、弁護士は依頼者に代わってこれらのプロセスを管理し、最適な結果を目指して邁進します。

試用期間後の不採用に納得ができない場合は弁護士にご相談ください

試用期間後の不採用に不満や疑問を感じる場合は、一人で悩まず、弁護士に相談することをお勧めします。地元岡山に密着した私たちの法律事務所では、初回相談が無料で、経験豊富な弁護士が迅速に対応いたします。

オンライン面談も可能なので、遠方の方や忙しい方も気軽にご相談いただけます。

不公平な扱いを受けたと感じたら、すぐに専門家のアドバイスを求め、適切な対応を検討しましょう。