これってサビ残?変形労働時間制で残業代が出ない時の対応を解説

変形労働時間制における未払い残業代の請求を考える際には、実際の労働時間と労使協定に基づく所定労働時間を正確に把握することが重要です。

今回は、変形労働時間制における残業時間・残業代の計算方法や、実際に請求する上での対処方法などを解説いたします。

変形労働時間制と残業代の関係性

変形労働時間制って何?

変形労働時間制は、従業員の労働時間を長期間にわたって調整し、柔軟に管理するための制度です。

企業側としてはこの制度を活用することで、企業は労働時間を繁忙期や閑散期に応じて調整することができ、従業員の労働時間を一日単位や一週間単位で変動させることが可能になります。

例えば、繁忙期には一日の労働時間を延長し、閑散期には短縮することで、年間を通じた労働時間の総量を一定の範囲内に保つことができます。

変形労働時間制が法的に認められる要件

変形労働時間制を導入するためには、労使間での明確な合意が必要です。

この合意は労使協定または就業規則その他これに準するものにより定を置く必要があり、労働基準監督署に届け出る必要があります。協定には適用する労働者の範囲、労働時間の計算方法、有効期間など、具体的な運用ルールを定める必要があります。

この定めがなければ、変形労働時間制を適用することは法的に認められません。

フレックスタイム制との違い

フレックスタイム制と変形労働時間制の主な違いは、労働時間の管理の柔軟性にあります。

フレックスタイム制では、従業員が自身の生活スタイルに合わせて始業及び終業時間を自由に設定できる点が特徴です。

一方、変形労働時間制では、労働時間の配分は企業側によって事前に計画され、従業員はその計画に従う必要があります。

時間外労働(残業)をカウントしない制度ではない

変形労働時間制を採用している場合でも、所定の労働時間を超えた労働は残業とみなされ、法定の残業代を支払う必要があります。

この点は誤解されがちですが、変形労働時間制では残業を管理する方法が異なるだけであり、残業そのものが発生しないわけではありません。実際に残業が発生した場合、企業は残業代を適切に計算し、支払う責任があります。

変形労働時間制における残業時間の考え方

1日ごとに残業時間を計算しているケース

日単位の残業計算では、所定労働時間が8時間以内の場合は「労働時間 – 8時間」で残業時間を算出します。

また、所定労働時間が8時間を超える場合は、「労働時間 – 所定労働時間」で計算します。

1週間ごとに残業時間を計算しているケース

週単位の残業計算では、1週間の所定労働時間が40時間以内の場合は「労働時間 – 40時間」で残業時間を算出します。

また1週間の所定労働時間が40時間を超える場合は、「労働時間 – 所定労働時間」で計算します。

変形労働時間制における残業代の割増率って?

割増率は通常の残業と同様に計算されます

変形労働時間制の下でも、残業時間に対する割増賃金の率は通常の労働時間制と同じく、法定の割増率に基づいて計算されます。

通常は25%の割増が基本ですが、深夜や休日労働の場合はさらに割増率が高くなります。

残業が支払われていないかも!と思った際の対処法

まずは就業規則や労使協定を確認しましょう

未払い残業代があるかもしれないと思った時は、まずは自分の就業規則や労使協定の内容を確認しましょう。

これらの文書には、労働時間、残業の定義、残業代の支払い条件などが明記されています。

特に変形労働時間制を採用している場合、どのように労働時間が計算されるか、残業がどのように扱われるかが規定されていますので、自分の労働日と所定労働時間を正確に理解することが重要です。

自分の勤怠のデータや給与明細をチェックしましょう

次に、実際の勤務記録と給与明細を詳しくチェックしましょう。

自分の勤怠データに記録されている勤務時間と、給与明細に反映されている労働時間が一致しているかを確認します。

また、残業代が計算されているか、またその計算が就業規則に基づいて正しく行われているかも重要です。

例えば、変形労働時間制の下での残業代が、通常の勤務時間を超えた時間に対して正しく加算されているかを検証します。

会社と交渉・請求を進めましょう

これらの情報を基に、もし残業代が未払いであると判明した場合は、まずは直接会社にこの問題を提起し、交渉を試みます。

交渉では、集めた証拠を提示し、明確かつ建設的な方法で話し合いを進めることが望ましいです。もし交渉が難航している、あるいは会社が適切な対応をしてくれない場合は、労働基準監督署に相談するか、法的手続きを検討することが可能です。

弁護士への相談もご検討ください

自己解決が困難な場合や、法的な争いが予想される場合は、労働法に精通した弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士は法的な目線で効果的な主張をする他、未払い残業代の回収や労働条件の改善をサポートします。また、裁判や和解の手続きに関しても経験豊富な弁護士であれば円滑に進めることが可能です。

総合的に考えて、未払い残業代の請求は弁護士に相談することが非常に有効だと考えられます。

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