運送・トラックドライバーの未払い残業代請求について弁護士が解説
こんなお悩みはありませんか?
「みなし残業代以上の残業代を支払う必要はない」
「ウチは歩合給だから残業代が出ない」
「荷待ち時間は労働時間ではない」
これらの考えは誤りであり、法律上、適正な残業代を受け取る権利があります。本記事では、運送業界の残業代に関する正しい知識を提供し、未払いの残業代を請求する方法について解説します。
目次
運送業界に蔓延している残業代の間違った考え方
歩合制でも残業代を支払わなければなりません
運送業では、給与が歩合制であることが多いため、「歩合給だから残業代は発生しない」と考えられることがあります。しかし、これは誤解です。
労働基準法では、歩合給であっても労働時間に応じた割増賃金を支払う義務があります。
たとえば、月に40時間の残業をしている場合、基本給+歩合給に基づいた時給換算での**時間外割増(25%)や深夜割増(25%)**が適用されます。企業が「歩合だから残業代は不要」と主張しても、法律上は無効となる可能性が高いです。
荷待ち時間も労働時間に含まれます
配送先での荷待ち時間について、「ただ待っているだけだから労働時間ではない」と説明する企業もあります。しかし、荷待ち時間は労働時間に含まれるのが基本です。
- 顧客先で積み込みの順番を待っている
- 運行指示を待つためにトラック内で待機している
このような状況で自由に休憩が取れない場合、荷待ち時間も労働時間として計算され、残業代が発生する可能性があります。
みなし残業時間を超過した分は残業代が発生します
みなし残業とは、一定時間分の残業代を事前に給与に含める制度ですが、みなし残業時間を超えた分の労働には、追加の残業代が発生します。
例えば、みなし残業20時間込みの給与で、実際には40時間の残業をしていた場合、超過20時間分の残業代は企業が支払う義務があります。
渋滞が原因でも残業代は受け取ることができます
渋滞による遅延が発生した場合、企業によっては「渋滞は不可抗力だから残業代は出ない」と主張することがあります。しかし、企業が指示したルートでの移動中であれば、渋滞による遅延も労働時間に含まれるため、残業代が発生します。
運送業・ドライバーの残業代請求に必要な証拠
未払いの残業代を請求するには、労働時間を証明する証拠が必要です。
- タイムカード:勤務時間の記録が残っている場合、有力な証拠になります。
- タコグラフ:運行記録計を用いたデータは、労働時間の証明として活用できます。
- メールやLINEの履歴:上司からの指示内容が残っていれば、労働時間を立証できます。
- 業務日誌や自身で記録した勤務時間:手帳やスマホのメモなど、細かく記録を残しておくことが重要です。
- 高速道路の使用履歴:ETCの利用記録なども、業務時間の証拠となります。
- 給与明細や雇用契約書:給与体系や支払い状況を確認するために役立ちます。
残業代請求の大まかな流れ
① 証拠を集めましょう
タイムカードやタコグラフのデータ、業務日誌などを整理し、労働時間を証明できる資料を確保します。
② 会社との交渉
集めた証拠を基に、未払い残業代を請求し、会社と交渉を行います。
③ 交渉で解決しなければ、審判・裁判に進みます
企業側が支払いに応じない場合、労働審判や裁判を通じて残業代を請求することになります。
④ まずは弁護士にご相談ください
専門的なアドバイスを受けながら、最適な方法で請求を進めることが重要です。
残業代請求を弁護士に相談するメリット
証拠収集のアドバイスを受けることができる
どのような証拠が必要か、どのように収集すべきかについて、具体的なアドバイスを受けられます。
会社との交渉を一任できる
企業側と直接交渉することが難しい場合でも、弁護士が代理人として交渉を進めます。
適切な残業代を請求できる
企業側の言い逃れを防ぎ、正確な残業代を請求するためのサポートを受けることができます。
残業代のお悩みは西村綜合法律事務所へご相談ください
運送業界における未払い残業代の問題は、労働者にとって大きな負担となります。当事務所では、岡山に密着し、豊富な経験を持つ弁護士が迅速に対応いたします。初回相談は無料で、オンライン面談も可能です。未払いの残業代でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。